「転職する際には有利になる資格が必要」という考え方が一般的です。確かに経理や英語などの資格を持った人の方が、何もない人よりプラス材料が多いという点で有利なのは確かです。しかし、実際に採用する企業の側から見ると、資格よりも実務経験の方を重要視するため、必ずしもそうした資格を持っているだけでは採用に結びつかない場合が多々あります。使ったことがない汎用性がある資格よりも、専門的で狭い分野であろうと実際に使ったことがあるスキルを求められるのです。「それだと職場が限られてしまい、転職できるチャンスなんてほとんどなくなってしまう」と不満を持つ人も多いかもしれません。
しかし、全ての企業が採用する人材に求める共通したスキルがあります。それが「ヒューマンスキル」です。一人で行う作業であっても、職場で仕事をする以上は共同作業の一部になるはずです。人間関係に対する配慮や意思疎通ができない人は、どんなに多彩な実務経験があっても役には立たないというのが、採用する側の見方になります。実際に面接で不採用になる理由の中で「目を見て話さない」「笑顔がなく暗い」「声が小さく聞き取れない」といったコミュニケーション能力不足が多くを占めているという現状を鑑みれば、資格や経験以上に周囲との関係性を調整できる能力が求められていることがわかります。転職のための面接を受ける前に、まず「周囲から自分はどのように見えるのか」の把握が必要です。